外資へ転職するときに必要な2つの書類【テンプレート付き】

「英語の履歴書をどう書けばいいか分からない」

「外資へ転職するには何が必要か知りたい」

初めて外資企業の求人に応募するとなると、さまざまな疑問が浮かんでくると思います。

外資系の転職活動でまず準備しておきたいのが「Resume(英文履歴書)」「Cover Letter(送付状)」です。

しかし、これらの書類は日本のものと内容や形式が異なる点が多く、作成時には注意が必要です。

逆にしっかりと要点を押さえて書かれたものは、より採用担当者の目に留まりやすくなります。

本記事ではResumeとCover Letterの書き方について、テンプレートを使って詳しく解説していきます。

日系と外資系、両方の転職を経験した筆者が項目ごとに説明を加えつつ内容をまとめたので、「外資へ転職を考えている人」はぜひ参考にしてみてください。

目次

成功へのキーポイント

まず「Resume」と「Cover Letter」を作成するにあたって、3つの重要なポイントを紹介します。

  1. 業績やスキルに自信を持つ
  2. 具体的な数値を含むと効果的
  3. 自分専用のテンプレートを作る

これらのポイントを押さえることで、転職活動をより効果的かつ効率的に進めることができます。

それでは一つずつ内容を見てみましょう。

業績やスキルに自信を持つ

外資企業では「積極的に自分を売り込むことができる人」「根拠に基づいた自信を持っている人」がより良い評価を得られる傾向があります。

言い換えると、謙虚すぎる姿勢はときに「自信のなさとしてマイナスに映ってしまう」場合もあります。

自分の持っているスキルやこれまでに成し遂げたことなどは、書面上でもしっかりとアピールすることで成功へと繋がる鍵になります。

具体的な数値を含むと効果的

「Resume」や「Cover Letter」に限らず、どんな文章でも数値を踏まえて説明をすることで、説得力が格段と上がります。

また、採用担当者は応募者の履歴書を見て数秒で判断すると言われているので、文章に数値を含むことは、一瞬で目を引くポイントにもなります。

書類を作成する際には自分の経歴を振り返ってみて、これまでの経験や成果または資格など「数値によって強調できるポイント」がないか探してみましょう。

自分専用のテンプレートを作る

英文で書類を作るのはかなり骨の折れる作業なので、できれば作成するのは一回だけにしたいですよね。

しかし、たった一社に応募して一発で転職が決まる、ということはなかなか難しいと思います。

そこで自分専用のテンプレートを作成し、その中に「募集要項ごとに書き換える箇所」をまとめておくと便利です。

テンプレートが一度できあがると、その後は書き換え箇所を求人ごとに編集するだけなので、応募にかかる時間と労力が削減できます。

応募段階の負担が減ることで、転職活動のモチベーション維持にも繋がるので、ぜひ試してみてください。

Resume(英文履歴書)

「Resume」の役割

「Resume」には「過去の経験や業績から得られた能力」などの情報を簡潔にまとめることで、自分が応募ポジションに適していることをアピールする役割があります。

また、採用担当者は応募者の情報を一目で知りたいと考えているので、書類を作成するにあたって「シンプルさ」「終始一貫性」が求められます。

まずはテンプレートを使って、項目ごとのポイントを確認してみましょう。

テンプレートと書き方

【1】個人情報(Personal Information)

  • 名前(Name)
  • 住所(Address)
  • 電話番号(Phone)
  • メールアドレス(Email)
  • (+LinkedInなどのプロフェッショナルなソーシャルメディアのリンク)

ヘッダー部分に応募者の個人情報を記載します。

フォントは特に決まりはありませんが、テンプレートではビジネスでよく使われる「Arial」を使っています。

【2】プロフェッショナルサマリー(Professional Summary)

  • 自分のキャリア概要や強みを要約
  • 具体的な数値や実績を含める

日本語の職務経歴書における「職務要約」にあたり、これまでの経験や能力を簡潔な文章で表記します。

テンプレートでは、①業種、②勤続年数、③主な業績を記載しています。

【3】職務経歴(Experience)

  • 最新の職歴から順に表記
  • ①勤務期間・役職名・会社名・所在地を記入
  • ②具体的な業務内容や成果を箇条書きで記載
  • ③続けて過去の職務経歴を書いていく

各職歴ごとの業務内容や成果などを書き記していくのが特徴です。

主語「I(私は)」は使わない簡潔な文章で記入し、完了したものであれば「-ed」、進行中であれば「現在形」で時制を区別するのもポイントです。

【4】学歴(Education)

  • 最終学歴から順に表記
  • 学位、専攻、学校名、所在地、卒業年を記入

自分の取得した学位に間違いがないか、事前に確認しましょう。

筆者の場合、大学卒業後に専門学校へ通ったので「Vocational School(主にアメリカ)」(または「Technical College(主にイギリス)」)で表記をしています。

英文履歴書には「Resume」の他に「CV」という別の名称があり、今回紹介する「Resume」は主にアメリカやカナダの企業で使用されます。

一般的に「CV」は教育機関や研究職の求人、またはヨーロッパ系の会社などで多く用いられ「Resume」が簡潔に内容をまとめるのに対して、「CV」はより多くの情報量を含みます。

「一貫性」の観点から、今回のテンプレートはアメリカ英語で統一しています。

  • 学校名に「Vocational School」を使用
  • 単語「prioritize」を使用(イギリス英語の場合は「prioritise」)

応募する企業に沿ってアメリカ英語、イギリス英語の使い分けにも注意しましょう。

【5】その他

その他に記載する項目は、応募する求人の「募集要項キーワード」と一致させることで、より効果的に採用担当者の注意を引きつけることができます。

①スキル(Skills)

  • 応募する職種に関連するスキルや過去の経歴などに紐づけられるものをリストアップ

ソフトスキル一例

  • Critical thinking(物事を批判的に捉えて判断する能力:物事の本質を見極める能力)
  • Problem solving(問題解決)
  • Teamwork(チームワーク)
  • Time management(時間管理)
  • Adaptability(適応力)
  • Creativity(創造力)
  • Interpersonal communication(対人コミュニケーション能力)
  • Active listening(傾聴力)
  • Conflict resolution(対立解消)
  • Leadership(リーダーシップ)
  • Collaboration(協調力)
  • Presentation(プレゼン力)
  • Ethics(倫理観)
  • Confidence(自信)

ハードスキル一例

  • Graphic design(グラフィックデザイン)
  • Social media(ソーシャルメディア)
  • Project management(プロジェクト管理)
  • Computer troubleshooting (パソコントラブルシューティング)
  • Data analysis(データ分析)
  • Programming (プログラミング)
  • Photo/Video editing (写真・動画編集)
  • Cloud computing(クラウドコンピューティング)

②資格・認定(Certifications)

  • 業務に関連する資格や認定を記載

③言語スキル(Languages)

  • 使用可能な言語とレベルを記載

④その他の情報(Additional Information)

  • 受賞歴、ボランティア活動、パブリケーションなど

顔写真は必要ない?

有料のPDF作成サービスなどを見ると、Resumeの作成テンプレートに顔写真が掲載されたものもありますが、日本の履歴書と違い写真は必ずしも必要ではありません。

実際に僕が外資へ転職した時も、写真は添付せずに、無料で作った文書ファイルのみ使用していました。

採用担当者が重視するのは応募者と求人ポジションとの適合性なので、写真よりもResumeに記載する内容をより洗練させることの方が大事です。

まずは一度、自分専用のテンプレートを作ってみて、そこから少しずつ改善を加えていってみましょう。

Cover Letter(送付状)

「Cover Letter」の役割

日本の「送付状」が形式に沿って簡素かつ丁寧に応募の経緯を伝えるのに対し、「Cover Letter」では以下のポイントが重視されます。

  • 志望動機や自己PR(応募ポジションに対する適性を明確に示す)
  • 積極的な企業研究(その企業で働く意欲を示す)
  • 簡素で明瞭な表現(要点を押さえた文章)

Resumeと一緒に提出されることが多く、応募者の個性や意欲を伝える重要な役割を果たします。

こちらもテンプレートを用意したので、各項目について説明していきます。

テンプレートと書き方

下線(現職について)」:(1)勤続年数、(2)職種名・業種名、(3)業績、(4)達成してきたこと、(5)達成できた理由

*[太字]:応募する求人の募集要項や企業情報に沿ってカスタマイズ

【1】導入部(Introduction)

  • どのポジションに応募するかを明記
  • 応募のきっかけや動機を簡潔に述べる

「XXXXX」の部分に応募するポジション名を記載します。

【2】本文(Body)

  • ①職務経歴の要約
  • ②応募するポジションや企業で働く意欲
  • ③自分がそのポジションに適している理由を強調

本文に記載する内容で全体の印象が決まるので、時間をかけて丁寧に文章を組み立てていきましょう。

テンプレートは要点を伝えるため簡素な作りになっていますが、必要に応じて文章のボリュームを増やしていき、最終的に1枚の用紙に収まるよう編集しましょう。

【3】締めくくり(Closing)

  • 感謝の言葉で締める
  • 面接の機会を頂けることを希望する旨を伝える

次のステップに向けての前向きな姿勢を見せることで、積極性をアピールしましょう。

書いた英文をレベルアップさせる裏技

英語の文章にはさまざまな表現方法があるため、書き進めるうちに悩みや不安も出てくると思います。

「自分の書いた英文に自信が持てない」

「他にもっと良い言い回しがあるのでは」

けれども、周りに修正や訂正をお願いできる人がいるのはおそらく稀だと思います。

そんな時、強い味方となってくれるのが「ChatGPT」です。

でき上がった文章をコピペして修正するようお願いするだけで、一瞬で添削してくれます。

ただし、ChatGPTはあくまでも校正の目的のみで利用することをおすすめします。

まずは自力で文章を作ってみて、そこから訂正されたものを比較してみることで、さらに自分自身の成長にもつながるからです。

また、「Resume」の章でお伝えした「アメリカ英語またはイギリス英語で統一する作業」にもChatGPTが便利です。

工夫次第でいろいろな場面に活用できるので、ぜひ一度使ってみてください。

おわりに

今回紹介したポイントやテンプレートを参照することで、外資への転職時に必要な基本書類「Resume」と「Cover Letter」の2つを準備することができます。

外資系に初めて転職活動をしたとき、分からないことだらけだった僕自身の経験を踏まえて、書類作成のポイントを項目ごとに押さえ、かつ応募段階の負担を減らせるよう内容をまとめました。

この記事はあの時の自分に渡してあげたい気持ちで書きましたが、当時の僕と同じように「初めて外資への転職にチャレンジする人」にとっての、悩みや不安の種を解消できるヒントになってほしいと思います。

ただし、あらかじめ形式が決まっている日本の履歴書や職務経歴書と異なり、これらの書類はフォーマットの自由度が高く、応募者自らが工夫して「読みやすさ」を追求することも求められます。

紹介したポイントやテンプレートを参考にしながら、自分だけの魅力的な「Resume」と「Cover Letter」を作ってみてください。

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